「うなぎが食べたいと言われたけれど、噛めるか、飲み込めるかが心配」
「“舌でつぶせる”と書いてあるけど、本当に大丈夫なの?」
介護をしていると、こうした不安を感じる場面はとても多いと思います。
特にうなぎのような繊維があり、口や喉に残りやすい食材は、選ぶ側としても迷いますよね。
今回は、キユーピー やさしい献立「やわらかなおかず うなたま」を、現役の言語聴覚士である私が実際に食べて、嚥下の視点から正直にレビューします。


◆商品基本情報
商品名:キユーピー やさしい献立 やわらかなおかず うなたま
内容量:80g
価格:216円(税込)
購入場所:ウェルシア
ユニバーサルデザインフード区分: 「舌でつぶせる」
◆パッケージ表記とやわらかさの目安
パッケージ下部には、
「容易にかめる → 歯ぐきでつぶせる → 舌でつぶせる → かまなくてよい」
というやわらかさ段階が表示されています。
この商品は
👉 「舌でつぶせる」に該当。

つまり、歯がなくても、舌の力でつぶせることを想定した設計です。
ただし、
👉 「舌でつぶせる=誰でも安全に飲み込める」
ではない点には注意が必要です。
◆実際に食べてみた感想(正直レビュー)
● 見た目・食感

餡がしっかりかかっており、全体としてはまとまりのある見た目です。
卵はふんわりしており、餡のおかげでスプーンですくいやすい印象。

ただし、中に入っているうなぎは、細かく刻まれているものの、繊維感がはっきり残る部分があります。
● 口の中でのまとまり
最初の一口は問題なく食べられますが、うなぎが口の中に残りやすい 舌で押しつぶそうとすると、 卵や餡はつぶれても、うなぎだけが残るという感覚がありました。
特に、うなぎ単体になると、しっかりと舌や歯ぐきで処理しないと、口腔内に残りやすい印象です。
● 飲み込みやすさ・喉への残り
飲み込む際も、うなぎが喉に残る感じ 嚥下後に「まだ何か残っている」感覚が出やすいという印象がありました。
そのため、
飲み込みの力が弱い方
むせやすい方
嚥下反射が遅い方
の場合、ムセやすい可能性があると感じます。
「舌でつぶせる」表示についての考察
この商品は確かに、
卵 餡
の部分は舌で簡単につぶせます。
しかし、
👉 「うなぎ」については、舌だけでは難しい場面がある
というのが、正直な評価です。
「舌でつぶせる」という表示だけを見て
飲み込みの力がかなり弱い方にそのまま出すのは、
少し注意が必要だと思います。
水分・介助時の工夫ポイント
この商品を食べる際は、
水分と交互に食べる 一口量を少なめにする うなぎが残っていないか、口の中を確認する
といった工夫があると、より安全です。
なお、
餡自体にはしっかりトロミがついているため、
とろみ付き水分が必要な方でも餡部分は飲み込みやすい
と感じました。
温める?冷たいまま?
冷たいままでも食べることは可能 ただし、温めた方が明らかに美味しい 温めることで、餡とうなぎがなじみやすくなる印象
安全面だけでなく、食欲の面でも温めがおすすめです。

味について
うなぎの風味はしっかり感じられる 濃すぎず、やさしい味付け 「うなぎを食べている満足感」はある
介護食としては、味の再現度は高めだと感じました。
どんな人に向いている?向いていない?
向いている人
舌の動きがある程度保たれている 軽度〜中等度の嚥下機能低下 食形態アップを検討している段階
注意が必要な人
飲み込みの力がかなり弱い むせが頻回にある 「舌でつぶせる」でも不安がある方
その場合は、
👉 刻む・潰す・別の形態を選ぶ
などの工夫を検討した方が安心です。
総合評価(言語聴覚士として)
餡と卵は非常によくできている うなぎは残りやすさ・噛む必要性がある 表示通りに出すには、本人の嚥下レベルの見極めが重要
「うなぎをもう一度食べたい」という希望に応える商品ですが、
“舌でつぶせる”を過信せず、状態に合わせて使う介護食だと感じました。